代表選出馬の決意(一揆から潮流へ)HOME ・代表選挙に際しての4大方針 ・候補者プロフィール ・私の考え方

<私が共同代表になった際には、現在のれいわ新選組における”マニフェスト”、つまり「れいわニューディール(衆21)」(参22)等における公約を原則的にすべて継承いたします。さらにこれに加え、以下を私独自の方針として、党の公約として掲げることを検討します>
財政/金融政策/税制 ・住宅政策 ・雇用/労働 ・自動車税制の改善 ・ヘイト規制 ・教育/文化
憲法問題(第9条) ・自衛隊/防衛 ・対米自立(在日米軍等) ・外交/歴史観
 ・核燃料サイクルの放棄(原子力政策)

<私が共同代表になった際には、現在のれいわ新選組における公約に加え、以下を党の公約として掲げることを検討します>

<自衛隊/防衛政策>
防衛予算はGDP比2%という数値の達成をことさらの目標とすることなく、真に必要、合理的と認められる装備品の調達や更新を行います。
―GDP比2%は結果論であり、真に必要、合理的と認められる装備品の調達や更新を行った結果2%相当に到達するのであればまだしも、最初から2%という目標を先行させることの意味はありません。また「真に必要、合理的と認められる装備品」が具体的に何を指すのかの共有も曖昧(あいまい)であり、基本的な議論がなお欠けている状況です。
防衛予算の総額をいたずらに増大させるよりも、各装備品の調達価格の値下げ等を模索します。
・自衛隊は、自然災害等で大きな活躍が期待できる実力組織であることを認め、とりわけ平和的分野で自衛隊を活用していきます。

・防衛予算の増額よりも、「経済力の強化」こそが、結果的には自衛につながります。

 日本が第二次大戦に敗北したのは、大本営が稚拙な用兵(ようへい=部隊の運用など)をしたことなども勿論ですが、アメリカに対して経済力が圧倒的に劣っていたからです。戦前の日本は、工業力が貧弱なまま、身の丈に合わない軍拡を行って大きな間違い、失敗をしました。むやみに軍隊だけを増強しても、それを支える経済力が無かったので、戦争に敗北したのです。

 軍隊だけを拡大すれば防衛力は増強される―、という考え方は「先軍政治」を想起させるものであり、間違いです。例えば、戦前の日本は「列強・五大国(国際連盟常任理事国)」と言われながら、人々の生活水準(一人当たりGNP)は場合によってはブラジルやフィリピンを大きく下回るもので、豊かではありませんでした。したがって、耐久消費財(当時は自動車などの四輪、二輪車、ラジオ、奢侈(しゃし)品等)の普及率は低いままでした。

 国民の生活を豊かにしないまま、戦争に突入した日本は、すぐに大きな矛盾に突き当たりました。戦争に必要な戦車や輸送車を増産したとしても、そもそも自動車が普及していないので、運転免許を持った人が少なすぎて、操作方法をいちから教えなければ戦場で役に立たなかったのです。あるいは、工業生産が貧弱すぎて、武器・弾薬を増産しようとしても余裕がなく、また全体的に生産技術が劣っていたので、不良品の割合が多く、使い物にならないのです。

 アメリカはそうではありませんでした。自動車が人々に普及しており、多くの人が軍に教えられなくても車両の運転が可能で、すぐさま戦場で役に立ちました。それまで例えば缶詰、衣料品や設備品を製造していた民間の工場は、政府の方針ですぐに軍需品の生産に転用することができたのです。アメリカは、戦前「モンロー主義=中立政策」を採用しており、ことさら膨大(ぼうだい)な陸軍や航空兵力を持っていたわけではありません。その代わり豊富な経済力があったからこそ、いざという時に、民間部門を防衛部門に転換させることができたので、戦争に耐えることができたのです。

 つまり、実際に戦車や戦闘機や軍艦を増強するよりも、経済全体を強化しておくことが、防衛力の向上にも直結するのです。いくら武器を増やしても、それを支える経済力と、いつでも防衛に転用できる民間部門の生産力を維持しなければ、意味がありません。

 経済力を強化することは、防衛力の強化とイコールです。防衛力の額面だけをいたずらに増やし、防衛装備品をどんどんと調達、更新していくことは、ただちに防衛力の強化に資(し)さないのです。それよりも常備展開している防衛力は適正に抑え、いざというときに大きな含みを持たせておく―、ということが重要なのです。


・自衛隊の適正な規模は、周辺国の防衛力等の状況等に照らし合わせて弾力的に決定します。
・防衛予算の増額=防衛力の強化がなされるわけではありません。GDP比2%はその根拠があいまいです。
―政府与党は、「中期防衛力整備計画(中期防)で示す2023年27年度の5年間の防衛費の総額を43兆円規模」としました。単純に1年で割ると約9兆円弱となり、現状の5兆円なかば(NATO基準では6兆円超)の約1.8倍程度になります。これは2022年のウクライナ戦争を受けての防衛意識の高まりにより、日本の防衛予算はGDPの2%程度にするべきという意見をおおむね受け入れた結果です。

 しかし実際には、他国からの侵略についてどのような戦術をとるのか、どのような作戦をとるのかの明確なビジョンがないまま、GDP比2%という数字だけが先行している状況であり、国土の防衛についての具体的な議論は置き去りにされている状況です。よって実際の防衛力に関する議論が活発に行われているとは判定できません。

 そもそも、防衛予算が多い=防衛力が強い、では必ずしもありません。防衛力の実際は、その国が置かれている全般的な安保状況、補給能力や状況(これを”兵站(へいたん)”と言います)、地理や地形、諜報(ちょうほう)能力、部隊の士気、国際関係、相手国の戦略意図など、「あらゆる複合的な要素」によって決定されるので、防衛予算をいたずらに増やすことが、ただちに防衛力を強化することにはつながらないので、現在の政府与党の方針には、大きな疑問を感じます。

 防衛予算が少ない国は、必ず防衛予算が高い国に対抗できないのであれば、2022年から始まるウクライナ戦争において、ロシア軍の非人道的な侵略行為に対し、ウクライナ軍が善戦していることの説明がつきません。ロシアの防衛予算は、おおむね約7~8兆円とされていますが、ウクライナの防衛予算は約6,000億円です。日本の6分の1程度の防衛予算しかないウクライナが、ロシア軍を相手に善戦している現状は、防衛予算を増やせば防衛力も増す、という考え方を否定するものです。防衛力は様々な要素で決定されるものであり、防衛予算を増やしたからと言って、ただちに日本の防衛力強化に繋がる訳ではありません。であるのなら、防衛予算の増額分を、人々の生活の安定に使った方が良いということになります。


・仮に国連決議があっても、PKOへの参加の是非は日本が主体的に決定します。―国連決議が存在しても、それに従うか否かはとうぜん日本の意志によるべきです
・自衛隊員やその家族の福利厚生環境を向上させるための費用増額は支持します。
・原子力潜水艦の導入は、日本近海での専守防衛を踏まえて必要が無いので検討しません。
・いわゆる「敵基地攻撃能力」「反撃能力」の保有について、戦術的意味が希薄なのでことさら検討しません。―現代戦においては、「防衛のための先制攻撃」を行う戦術的意義が少ないばかりか、コスト的・技術的にも現在の日本にとって難題であり、保有する意味は少ないのが実態です。
・「反撃能力」の空虚
―さかんに喧伝(けんでん)される「反撃能力」とは、かつての「敵基地攻撃能力」と同等のものです。ではこれは何を意味するのでしょうか。

 日本に外国からのミサイルが着弾した場合、反対に相手国の基地や施設を攻撃する能力を保持することによって、相手国の日本侵略を思いとどまらせよう、或いは「攻撃された(する準備を含む)らやり返されるという恐怖」を与えよう、というのが、「反撃能力」の骨子です。

 しかし、現代の戦争においては、相手国のミサイル発射は、潜水艦、車両、列車等の「移動する拠点」によって行われる場合が多く、反撃しようにも、相手がリアルタイムでどの場所にいるかが正確に分からないと意味がありません。このためには、偵察衛星(スパイ衛星とも―日本では多目的衛星などとも)の情報により、現在、敵国の発射拠点がどこにあるかを正確に把握しないと、意味がありませんが、日本の偵察衛星はその能力において不十分であり、相手国の攻撃拠点の正確な見極めが難しい状況です。「反撃能力」とはこのように、相手側の位置が確定している場合にあって初めて有効ですが、現状ではその前提を有していないので、空虚な議論です。

 日本に対して、明白な侵略を企てようとする外国は、とうぜん限りなく100%に近い成功を想定して戦術を練るのですから、基本的にはピンポイントで日本を爆撃しようと思う攻撃側が常に優位です。そもそも「日本に対する明白な危害」を外国が周到に立案した段階で、日本としてはそれを軍事的に防ぐ手立てはあまりありません。強いて言えば、飛来するミサイルを打ち落とす防空網を拡充させることでありますが、相手国の発射拠点がどこにあるのかも不明な場合は、そもそも「反撃能力」自体の意味があまりありません。

 それでもなお、相手国に「日本が反撃する能力」を有するという事実をもって抑止力としたいのであれば、そもそも相手のミサイル発射起点の現在位置とはほとんど無関係に、相手国の首都や防空指揮拠点に対する大規模空襲―アメリカが湾岸戦争でイラク等にやったような―という作戦(戦略爆撃機の大量保有等)が必要ですが、当然日本にはそのような能力がありません。アメリカですらもあるかどうか疑わしいところです。現時点では、軍事的に、この議論には有用な意味がありません。

 であるならば、相手国が日本を攻撃しようとする意図を除去する外交的努力こそがまっさきに最大の防衛に繋がるのであり、相手国が日本を侵略しようという意図や、ミサイルを飛ばすことに対抗する―という意味での「反撃能力」の保有は、ほとんど意味のないことです。

・いわゆる「ニュークリア・シェアリング」は戦略的意味が無いのでまったく検討しません。―「ニュークリア・シェアリング」は欧州で導入されていますが、アメリカの同意が前提であり実現できるかどうかが不透明です。